皆さん、こんにちは。
Lalaです。
今回は、授業の課題について詳しくご説明していきます。
ひとつ前の「第1学期総集①」という記事に授業の内容や実際に私が取得した単位について書いてあるので、そちらを読んでから本記事を読んでいただければと思います。
それでは、各授業の課題についてお話します。
まず、どの授業でも基本的には”Term PaperとPresentation”の2つが課されます。
授業によっては短いレポートやミニプレゼンテーションなどが別で課される場合もありますが、”Term PaperとPresentation”が成績評価全体の50%以上を占めるのでこれらが最重要です。
Term Paperは約15ページ、Presentationは15分程度で両方とも個人ワークです。
皆さん、「Term Paper約15ページ」ってどう思いますか?
多いと思いますか?それとも大学院だしこんなもんだろうと思いますか?
初めて課題の量を聞いた時の私の感想は「15ページ!?多すぎん?絶対無理だわ」という感じでした。
私は大学生時代に英語で開講されている授業を何個か履修したことがありました。その際には課題レポートを英語で執筆しました。
大体ですが、約2000文字程度のレポートを提出したことがあります。
私の記憶では、ワードに英語でものを書く場合、大体1ページに1000文字弱書けました。ですので、その記憶から推測するに、15ページとは15000文字程度ということになります。
はい、無理です。
15000文字なんて量かけるわけない!
私は学士論文を日本語で20000字程度執筆しました。私の学部では希望者は英語で卒論を書くこともできましたが、その際の文字数の目安は8000文字でした。
日本語なら20000文字程度、英語なら8000文字程度ということです。
つまり、「Term Paper約15ページ」とは、数か月前に1年間かけて終わらせた卒論を仮に英語で執筆した場合の文字数の約2倍です。
だめだ、やっぱり海外大学院なんて私にはまだ早すぎた。
こんな感じで第2週目あたりに日本に帰ろうかと思い始めます。
両親に電話をし、「ごめん、帰るかもしれない。本当にごめんね。」と何度も謝りました。母は、「何にも心配しなくていいから帰りたくなったら帰っておいで。大丈夫だから。」と言ってくれました。
しかし数週間後に「Term Paper約15ページ」= 約15000words というのは大きな間違いであるということに気づきます。
本当は「Term Paper約15ページ」= 約5000words です。
何故かって?
普通、英語でレポートやペーパーを執筆する際には、フォーマットが存在します。
フォーマットとはフォントの種類、文字の大きさ、行間などです。
日本の大学生時代にはフォーマットを特に指定されていなかったので”1ページに最も多く文字が収まる形式”で書いていました。そもそもページ数ではなく文字数ベースの課題だったので文字数さえ超えていればあとは何でもいいという感じでした。
フォーマットは先生によっても異なりますが『Times New Roman, font size 12, 2 space』というのが最も一般的です。このフォーマットに従うと、ワード1ページには300から400文字しか入りません。
15×350=5250
はい、最初に私が早とちりした文字数の3分の1です。
また注釈や参考文献一覧もページ数に加える場合が多いので、本文の文字数としてはもっと少なくて済みます。
5000文字程度ならなんとか書けそう。
ということで、とりあえず日本へは帰らなくて済みました。
もう一つの大きな課題であるPresentationはTerm PaperのPresentationです。
自分が何を書いたのかを発表するものなので、まったく別の内容を扱うわけではありません。Term Paperさえ書ければ、プレゼンはそんなに難しくありません。
15分に収まるように重要な個所を引っ張ってきて発表すればいいのです。
ちなみに私はPresentationの時には毎回原稿を作っていました。
まだまだ英語が不得意の私は、いくら全体像が分かっていようと原稿なしで話すことはできません。
1分で100文字程度読めるので、15分のプレゼンでは約1500文字に収まるように原稿を作りました。簡単なことです。5000文字のペーパーから重要なことを引っ張ってきて1500文字に要約するだけです。
しかし、プレゼンには先生や同級生からフィードバックや質問があります。
どんな質問が来るかは予測不可能なので、質問を受けた際には一生懸命に答えます。
最重要課題の詳細を説明したところで、私が最も苦労したことをお伝えします。
それは、テーマ決めです。
Term Paperに何を書くか、これを決めるのにすごく苦労しました。
そもそもTerm Paperとは論文とレポートの中間ぐらいのものだと思てください。
論文は、自分でテーマとリサーチクエスチョンをたて、研究をし、結果と分析を行い、結論を導きます。
レポートは、与えられたテーマやリサーチクエスチョンに対する答えを既にある資料から探し出してまとめます。
二つの大きな違いは、論文は何か新しいことを自分で発見するのに対してレポートは既に他の人が発見している既存の物事を元にまとめるものであるということです。
では、Term Paperは何か。
説明は難しいのですが、自分で問いを立て、すでにある資料から自分なりの回答を導き出して分析するというものです。
何か新しい発見をする必要はありませんが、皆知っている、皆そう思う周知の事実的なことを扱ってはいけません。
この絶妙なテーマを決めるのにすごく苦労しました。
どの授業でも学期の中間あたりにOutline Presentationというものがあります。これは自分はTerm Paperでこのようなテーマを扱うつもりで、このような構成になるというアウトラインを発表するものです。
これに対して先生からフィードバックをもらいます。
このテーマは広すぎる、このテーマは難しすぎる、このやり方は実効性に欠ける、この調査方法は足りない、などたくさんの意見をもらいます。
それをもとに、最終的に自分がどういった方法でどんなテーマを扱うか確定します。
こんな感じでテーマが決まったら、いよいよ文献を読み漁り始めます。
英文の資料を探すサイトはたくさんありますが、私は主にJSTORとCambridge Coreの2つを使用しています。
無料でアクセスできる資料が豊富にあります。
あとはGoogle Scholarが有名かと思いますが、私はあまり使用していません。
無料アクセスできないものが多い印象だからです。
では、私が実際にどんなTerm Paperを書いたのか、『Spcial Topic on Southeast Asia』という東南アジアと大国の関係についての授業で提出した課題を紹介します。
私のTerm Paperのタイトルは
【The significance of Japanese ex-patriates in strengthening people-to-people relationship between ASEAN and Japan: A case study of Japanese community in Bangkok and its interaction with the local community 】
(ASEANと日本の人的関係における在外日本人の重要性:バンコク日本人コミュニティとそのローカルコミュニティとの関り)です。
なんだかしっくりこない日本語訳になってしまいました。(;'∀')
要するに、バンコクに住む日本人がタイと日本の人的関係にどのような影響を与えているか、彼らの現地社会との関りから分析するというものです。
タイにおける日本人コミュニティを扱った研究は山ほどあります。
なので、ユニークさを出さなければなりませんでした。
私は日本人3名にインタビューしました。先行研究が指摘することと微妙に異なる結果が出ました。また、昨今のコロナ状況を活用して今後の動向を予測しました。
こんな感じでTerm Paperに適切なユニークさを出しました。
ちなみに、論文では未来の予測は基本的にNGです。それは筆者の主観でしかなく、何の根拠もないからです。
全部で4つの授業を取っていて、すべての授業でTerm Paperを提出しました。
文字数だけではありますが、参考までに私が1学期の課題として執筆した分量を計算してみました。
Southeast Asian Civilization → 3500w
ASEAN in Regional and Global Context → 3200w
Literature and Society in Southeast Asia → 4100w
Special Topic on Southeast Asia → 4100w
Book Review → 9000w
合計 23900w
Book Reviewとは、ASEAN in Regional Global Contextの授業でTerm Paperとは別に課されていた課題です。
本5冊、article5本の合計10本を読み、それぞれにつき3ページほどのレビューを書くというものです。
よく頑張ったな、自分。
これがまさしく海外大学院。
最初の方で「Term Paper約15ページ」= 約15000wordsと早とちりをして危うく日本に帰りそうになった私ですが、文字数だけで見たらトータルで結局それ以上書いたことになります。
課題がすべて終わったころには、なんで去年の自分は卒論に1年間もかかったんだろうという疑問が湧いてきました。しかも日本語で書いたくせに。
論文とTerm Paperは違います。しかし、テーマを自分で決めて研究を進めるという意味では似たようなものです。論文の方がちょっとばかり難しいだけです。
いったい大学4年時の私は何にあんなに苦戦していたのか…。
ハードルを1つ上げて初めて、以前までのハードルがいかに低かったのかに気づきます。
限界突破ということですかね。
次回は私が第1学期をどのように過ごしていたかを書こうと思います。
上記のような課題を終わらせるために、いったいどんな休日を過ごしていたのか、友人と遊びに行く時間はあったのか、などです。
お楽しみに。
Sincerely,
Lala